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何を目的に旅をするのか。
何もなくとも、楽しい旅もできる。ふらり、とか、ぶらり、とかいう、あれ。

が、目的のある旅は、それはそれで、シリーズ化されて、自分の中での楽しみになる。
地元の味を求めて、秘湯の旅、花の名所、古木、地域の祭り、いくらでも、テーマが上がってくる。

ミスター飯島は、ミステリーを求める旅を続けている。
こんなところに、こんな不思議が。なんでもないと思っていたら、たずねてこそ分かる、秘密が。
そんな、日常に刺激をびりびり与える旅を、時に仲間と共に、繰り返している。

初登場の先週、島田市にある「千葉山 智満寺」を紹介してくれた。

奈良時代の創建と伝えられる、山岳修行の場でもある寺。
比叡山延暦寺を総本山とするのだから、天台宗か。

本尊は千手観音菩薩、秘仏となっている。

現在、建造物や寺宝の修復や整備もあり、非公開の仏像や仏画、寺宝を公開している。

そこには見事な胎蔵界曼荼羅や、厨子に飾られた五大明王、
狩野探幽の絵と伝えられる「竜虎図」など、拝見できる。
何しろ、文化財の多い寺なのだ。

眼光鋭くこちらを見射抜く木製の坐像は、信長の比叡山焼き討ちの際に、難を逃れ手熊野権現を経、
海を伝って、相良に着き、智満寺に収められたと言う「元三大師坐像」。
奥の院を守る阿修羅坊大権現の大天狗、薬師堂や湯屋権現、いわくの解説に、深い歴史を感じる。

境内には、樹齢1000年と言う過ぎの巨木があり、智満寺の十本杉として、一本ずつにいわれが残り、名がついている。
◎千葉山 智満寺の十本杉 ナベショーのシニアライフ


ミスター飯島が中でも驚いたのは、サンスクリット語で書かれた書。
筆ではなく、ペンで書かれたもので、中国から伝えられて目になじんでいる筆書きのまじない札にある字とは明らかに異なり、
サンスクリットから梵字へと変化した筆だからこそ加えられたのであろうハネや勢いが、ないのだそうだ。

大井川を西にした要所でもあり、時代の権力者たちが寄贈したお宝が多いのは分かるが、
一体、どのルートを通って、サンスクリット語の書き物が伝えられたのだろう。
海外諸国との交流を、隠居城のある駿府ですすめていた大御所家康公が、献上品として手に入れたものの奉納だろうか。
それとも、創建当初の時代、中国に伝わったサンスクリット語の原書を携えた唐からの名僧が持ち込んで収めたのだろうか。

何の手がかりもなく、妄想めいた推理の空想が果てしなく膨らむ。

寺でも、なぜここにあり、何を書いてあるのか分からないのだと言う。
その紙から時代を調査したり、インクで出所を推し量ったり、あるいは、サンスクリット語を読み解いたりといった、
学術的な研究が施されれば、少しは何かが分かるのかもしれないが。

ああ。。。
そうだね。結局、日本全国に、こういう不思議や不明の秘密がたくさんあって、
出かけてけば、そんなミステリーに遭遇して、
いつか解き明かしたい、と研究してみたり、研究者に何かを尋ねたり、
それは、なんと非日常的な、わくわくする出来事だろう。

ミステリーハンターの旅は、いつでも、誰でも、はじめることができそうだ。
ついでのことに、ハイキングもよさそうだ。

ゴールデンウィークに、ご利益ありそうな、ミステリーハンティング、ちょっと興味がわくわく。

      

   天台宗 千葉山 智満寺
 秘仏の御開帳と寺宝の特別公開
 ★5月30日までの土・日・祝日 午前9時30分から午後4時
    *平日は15名以上の団体予約のみ
 ★拝観料 1000円 中学まで300円
 ★智満寺 静岡県島田市千葉254  0547-35-6819

 ◎千葉山智満寺公式サイト
 http://www.geocities.jp/chibasanchimanji/