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静岡駅の周辺が様変わりした。

当然、目印も変わってくる。
駅前を走る国道1号線沿いに、懐かしいとさえいえる姿を残しているビルがある。
今は駿河区登呂にあるSBS静岡放送は、このビルからラジオを放送した。

そして昭和46年にこのビルに開館したのが駿府博物館。
今年で開館40周年を迎える。

記念展の第一弾として「歌川広重 東海道五十三次(保栄堂版)」の全揃え55図を一挙に展示する。

昔の人は、これを観て見知らぬ土地を旅した気分になったことだろう。
旅した人は、これで、そのときの思いを深くしたことだろう。
今見るわたしたちは、時間を旅知る気持ちを味わう。

世界的にファンの多い作品は、その技術と日本の美学を今に伝える。
また、当時を知る大事な資料でもある。
日本人が自然と共にあった頃の山や田畑の様子、その頃の地形、民族の風習や暮らしぶり。

視点によって、様々に見渡せる作品が、一挙に並ぶ。
めったにない機会だ。
大勢が心待ちにしているだろう。

これだけの数を集めたのは、静岡の個人コレクター。
とろろ汁で知られた駿河区丸子にある「丁子屋」の12代目主人、柴山信夫氏が所有する作品。
収集には、30年以上の歳月がかかった。
欧米でオークションにかかった作品を手に入れ、やっと、すべてを手にした。
鑑定額は、5500万円だという。
しかし、柴山さんが価値を感じるのは、金額ではないだろう。

当然ながら、街道沿いの茶店であり、名物を出す店として、丁子屋も描かれている。
そして、丁子屋は、当時の姿を模して建てられている。
http://www.chojiya.info/
慶長元年1596年創業の丁子屋は、時代を超えて受け継がれて今にある。
広重が五十三次を描いたのが1834年、街道沿いで有名な店だったのだろう。
日本橋から数えて20番、鞠子の宿の絵柄として、丁子屋で供されるとろろ汁を食す野次喜多のような二人連れ。

今でも、そこに丁子屋はあり、今でもそこで、とろろ汁が食べられる。

今回の展示に当たって、コレクションを貸し出してくれることになった。
「鞠子 名物茶店」と同構図の肉筆画や当時の東海道の旅に関する資料も展示される。
人の命の道が、連なってゆく。


~駿府博物館 開館40周年記念企画展~
丁子屋コレクション 歌川広重「東海道五拾三次」全揃い
 2011年1月29日(土)~3月13日(日)9時30分~17時(入館は16時30分まで)月曜日休館
 http://square.at-s.com/sumpu/index.html

◆記念講演会  2月11日(金・祝)13時30分~ 駿府博物館講座室(当日入館者対象)
「コレクション収集裏話」  柴山信夫氏 (丁子屋12代目主人)
「広重の五拾三次」     日比野秀男氏 (常葉学園大学造形学部長)


@FM-Hi!ではこの展覧会の入場券をプレゼント

FAX:054-221-4649  mail:info@fmhi.co.jp
応募の締切りは1月21日(金)必着。下記から直接の応募フォームあるよ。
http://www.fmhi.co.jp/present.php